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神経線維腫症2型の聴神経腫瘍に対する医師主導治験 参加者を募集中

NF2の医師主導治験にご参加をお願いします
福島県立医科大学医学部脳神経外科学講座
             藤井正純、齋藤清

100年に1度という地球規模のウイルス感染が猛威を振るうなか、未だに出口が見えない状況が続いており、不安な毎日を送っていらっしゃることと存じます。こうした状況のなかにあっても、神経線維腫症2型(NF2)の方々に新規治療を届けられるよう、我々医療スタッフ・治験に参加いただいている方々一同、頑張っております。ただ、やはり、県外の移動制限など病院受診を控える動きがあることから、現在、未だこの治験に参加いただいている症例数が大きく不足している現状があります。
実は、2021年2月末に治験参加の期限が迫っています。このままの症例数の推移が続きますと、症例数の不足のため十分な有効性を証明できない可能性があり、1人でも多くの方に参加をいただきたいと感じております。是非参加をご検討ください。
今回の治験の正式名称は「神経線維腫症II型に対するベバシズマブの有効性および安全性を検討する多施設共同二重盲検無作為化比較試験」といいます。ベバシズマブは商品名「アバスチン®️」のことで、過去に行われた研究ではNF2の患者の約半数で聴力の改善効果や、腫瘍の縮小効果が認められたため、今回の治験の目的は、本当に効果があるのか、また安全なのかを科学的に示すことにあります。
有効性を証明するためには全体として60人の患者に参加をいただく必要がありますが、現在までの参加状況で症例を増やしていっても最終的にせいぜい40人程度と症例数の不足が懸念される状況があります。これには、新型コロナの影響以外にも治験ならではの事情があります。

この治験では、NF2の聴神経腫瘍を対象として、悪かった聴力があらかじめ決められた水準以上に改善するかどうかを評価しますが、薬の効果が本当にあるかどうかを科学的に証明するために、どうしても多くの制約があるのです。
大きなものとしては、治験の前半の24週間(約半年)は、実薬と偽薬のどちらか一方の治療になることです。すなわち、ベバシズマブの入った実薬の投与となるか、入っていない偽薬の投与となるか、いずれかの治療が行われますが、これは患者の希望や状態で決めるのでなく、ランダムに振り分けられますし、治験が行われている期間を通じて、患者本人にも、治療にあたっている医師にも、どちらの薬が投与されているかわかりません。なお、次の後半24週間は、全員実薬で治療をいたしますので、原則として参加者全員に実薬での治療が行われるようになっています。
もう一つ大きな制約は、参加するための条件が厳しく決められていることです。両側の聴神経腫瘍の両方に放射線治療を施した場合は対象外になりますし(左右どちらかに放射線治療を実施していない聴神経腫瘍があれば対象となります)、放射線をしていない側の耳の聴力の程度が良すぎても悪すぎても、その耳は対象外になってしまいます。聴力が良すぎると、それ以上改善したかどうかを評価できませんし、悪すぎるといくら薬の効果があると言っても、一定水準を超えて改善することが困難と考えられるためです。
また、過去にすでにベバシズマブを投与した方や、慶応大学で実施されているワクチン治療を受けた方は、どの治療で効いたのか証明できないため対象になりません。18歳以下の方についても、ベバシズマブの投与の安全性が確立していないため、今回の治験では参加いただくことができません。
このように治験は、科学的に正しく、かつ安全性を確保した状態で行う必要がどうしてもありますので、この治験に参加いただく数が増えにくい事情があります。現在まで治験に参加をご希望された方の中で6~7割が実際に参加され、残りの方は何らかの理由で残念ながら参加できませんでした。
ただし、参加するための基準を満たさなかったとしても、聴力の状態などが理由の場合、その後の経過の中で変化することもありますので、再度参加のチャレンジができる場合があります。どうか皆様にはお一人でも多くの方に参加をお願い致します。また、知り合いの方などいらっしゃいましたらお声がけをお願いいたします。
現在、できる限り多くの方に参加いただけるよう、治験の基準の見直し作業を行なっております。また、現在は当初から予定した、北海道大学、福島県立医科大学、日本医科大学、東京大学、藤田医科大学、大阪市立大学、広島大学、香川大学、熊本大学に加えて、埼玉医科大学総合医療センター(川越市)の合計10施設で治験が実施可能になっています。
先に触れましたように、治験に参加いただける期限が21年2月末となっておりますが、この期限をもう少し延長できないか努力をしています。皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。ご希望の方は下記へお気軽にお問い合わせ下さい。

【治験の問い合わせ】
BeatNF2 trial 治験調整事務局(福島県立医科大学)
Eメール: beatnf2#fmu.ac.jp
ホームページ:http://plaza.umin.ac.jp/nf2guideline/chiken.html

(上記メールは#を@に変換して下さい。)

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